人や国の不平等をなくそう!日本の現状と課題をわかりやすく解説

もくじ

1. はじめに:なぜ不平等の解消が重要なのか?

SDGs目標10「人や国の不平等をなくそう」は、すべての人が公平な社会の中で生きられることを目指しています。しかし、日本国内では地域間格差、高齢化による影響、ジェンダー不平等、経済格差など、多くの不平等が存在します。

日本における不平等の現状

  • 都市部と地方の地域間格差が拡大
  • 高齢化による社会保障の負担が増加
  • ジェンダー不平等が依然として解消されていない
  • 低所得層と高所得層の格差が広がっている

本記事では、日本における不平等の現状とその背景をデータとともに解説し、行政や企業の取り組みを紹介しながら、どのように改善していくべきかを考えます。


2. 日本における不平等の現状と課題

① 地域間格差の拡大

日本では都市部と地方の間で大きな経済格差が存在し、特に地方の衰退が深刻な問題となっています。

データで見る地域間格差

  • 東京都のGDPは全国の約20%を占める一方で、地方の経済成長は鈍化
  • 地方の平均年収は都市部よりも100万円以上低い(国税庁調査)
  • 人口減少が進む地域では、インフラ維持が困難に

地域間格差が生じる原因

  • 企業の本社機能が都市部に集中し、地方の雇用機会が不足
  • 地方では交通インフラや医療サービスが十分に整っていない
  • 若者の流出により、地方経済の活力が低下

② 高齢化による不平等

日本は超高齢社会に突入しており、特に高齢者が多い地域では、福祉サービスや医療体制の格差が顕著です。

データで見る高齢化の影響

  • 日本の高齢化率(65歳以上の割合)は約29%(2023年時点)
  • 地方の高齢化率は30%を超え、医療や福祉サービスの負担が増大
  • 都市部では介護施設の不足、高齢者の孤立が問題に

高齢者が直面する不平等

  • 年金だけでは生活が厳しく、低所得高齢者が増加
  • デジタル格差により、高齢者が行政サービスや金融サービスを利用しにくい
  • 介護サービスが不足し、家族の負担が増加

③ ジェンダー不平等

日本のジェンダーギャップ指数は146カ国中125位(2023年、WEF調査)と、先進国の中でも低水準にあります。特に政治・経済分野での女性の進出が進んでいないことが大きな課題です。

データで見るジェンダー不平等

  • 女性の管理職比率は約15%(OECD平均は32%)
  • 衆議院における女性議員の割合は10%未満
  • 女性の平均年収は男性の約76%にとどまる

ジェンダー不平等の原因

  • 育児・家事負担が女性に偏り、キャリア継続が難しい
  • 企業の意思決定層に女性が少なく、女性の昇進機会が限定的
  • 男性の育児休業取得率が14%と低く、家庭での役割分担が進んでいない

④ 経済格差の拡大

日本では低所得層と高所得層の格差が広がりつつあり、特に教育や雇用の面で機会の不平等が深刻な問題になっています。

データで見る経済格差

  • 日本のジニ係数(所得格差を示す指数)は0.33と、格差が拡大傾向
  • 最低賃金の全国平均は約1,004円だが、東京と地方では100円以上の差がある
  • 大学進学率は家庭の収入によって差があり、年収600万円未満の家庭では進学率が約40%にとどまる

経済格差の主な要因

  • 正規雇用と非正規雇用の待遇格差が大きい
  • 高収入の職種は都市部に集中し、地方では賃金が低い
  • 教育の機会格差が、将来の所得格差につながる

3. 行政や企業の取り組みと進捗状況

① 政府の施策

地域間格差の是正

  • 「地方創生」政策により、地方への企業誘致やリモートワークの推進を強化
  • 交通インフラの整備(新幹線や高速道路の拡張)で地方の利便性向上を図る

高齢者支援

  • 高齢者向けのデジタル教育プログラムを拡充
  • 介護施設の増設や在宅介護支援を強化

ジェンダー平等推進

  • 「女性活躍推進法」の改正により、企業における女性管理職比率の開示を義務化
  • 男性の育休取得を促進するための補助金制度を拡充

② 企業の取り組み

地方での雇用創出

  • ソフトバンクや楽天が地方拠点を開設し、リモートワークを活用した雇用を増加
  • ふるさと納税を活用した地方活性化プロジェクトが進行中

賃金格差の是正

  • 大手企業が最低賃金を引き上げ、非正規社員の待遇改善を実施
  • ユニクロやトヨタなどが大幅な賃上げを発表し、格差是正を目指す

4. まとめ:不平等をなくすためにできること

日本には地域間格差、高齢化による影響、ジェンダー不平等、経済格差といった多くの不平等が存在しています。しかし、政府や企業が積極的な取り組みを進める中で、私たちもできることがあります。

私たちにできること

  • 地域経済を支援するために地方の特産品やサービスを利用する
  • 性別や年齢に関わらず、公平な職場環境を作る意識を持つ
  • 最低賃金や労働環境に関心を持ち、より良い社会を目指す行動をとる

より公平な社会の実現に向けて、私たち一人ひとりができることから始めましょう!

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この記事を書いた人

私たちeco living編集部は、脱炭素アドバイザー ベーシックの資格を保有した編集者が、持続可能な暮らしを提案し、環境に配慮したライフスタイルをサポートするために日々記事を発信しています。地球に優しい商品やサービスの紹介から、エコな生活のヒントまで、皆さまのより良い未来作りのお手伝いを目指しています。

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