SDGs目標11を解説!住み続けられるまちづくりの現状

もくじ

なぜ持続可能なまちづくりが必要なのか?

SDGs目標11「住み続けられるまちづくりを」は、誰もが快適で安全に暮らせる都市や地域を作ることを目指しています。しかし、日本の多くの地域では人口減少、災害対策の遅れ、老朽化したインフラ、地域経済の衰退といった課題が山積しています。

日本のまちづくりの現状

  • 人口減少と都市の空洞化が深刻化
  • 災害リスクが高いが、防災対策が十分でない地域が多い
  • インフラの老朽化が進み、維持管理が困難に
  • 地方都市では雇用不足が地域経済の衰退を招いている

本記事では、日本のまちづくりの現状と課題をデータをもとに解説し、行政や自治体の取り組みと今後の改善策を提案します。


日本の都市・地域が直面する主な課題

① 人口減少と地域の空洞化の現状

日本の人口は2008年をピークに減少しており、特に地方都市では急激な人口減少が進んでいます。人口減少は、自治体の財政悪化やインフラ維持の困難さ、地域経済の縮小など、多くの問題を引き起こします。

深刻な人口減少の実態

現状を見ると、日本の総人口は2023年時点で約1億2400万人となっており、このままのペースでは2060年には8800万人まで減少すると総務省は予測しています。特に深刻なのは、全国の約50%の自治体が「消滅可能性都市」とされていることです。東京都の人口は横ばいを保っているものの、地方都市では年間1%以上の人口減少が続いている地域も少なくありません。

地域社会への影響

この人口減少は、地域社会に大きな影響を及ぼしています。地方自治体の税収が減少することで公共サービスの維持が困難になり、空き家の増加による治安の悪化や防災上のリスクも高まっています。さらに、企業の撤退や雇用機会の減少により人口流出が加速するという悪循環に陥っているのが現状です。

② 災害リスクと防災対策の遅れ

日本は地震・台風・豪雨などの自然災害が多発する国ですが、災害リスクが高い地域でも防災対策が不十分なケースが多く見られます。

データで見る災害リスク

内閣府の報告によると、2022年の自然災害による被害額は約1.5兆円に上りました。さらに深刻なのは、国土交通省の調査で全国の市区町村のうち、約30%が洪水・土砂災害の危険地域に指定されていることです。建物の耐震化についても地域間で大きな差があり、都市部では約90%の耐震化率を達成している一方、地方では70%程度にとどまる地域も存在します。

防災対策の課題

現在の防災対策には多くの課題が残されています。特に深刻なのは、ハザードマップの周知不足により、多くの住民が自身の住む地域のリスクを十分に認識できていない点です。また、高齢化が進む地域では避難計画の策定が追いついておらず、災害時の避難所においても設備の老朽化や感染症対策の不備など、様々な問題を抱えています。

③ インフラの老朽化と維持管理の問題

日本のインフラは高度経済成長期(1960〜70年代)に整備されたものが多く、現在その多くが老朽化し、維持・更新が困難になっています。

データで見るインフラ老朽化

国土交通省の調査によると、全国の道路インフラの約半数が建設から50年以上経過しており、深刻な老朽化に直面しています。同様に、全国の橋梁についても約40%が建設後50年以上が経過しており、耐久性への懸念が高まっています。さらに深刻なのは水道インフラで、東京都水道局の報告では、老朽化した水道管からの漏水量が年間約830億リットルにも上っています。

インフラ維持の課題

これらのインフラ維持には様々な課題が存在します。地方自治体では財政難により必要な更新工事が先送りされている状況が続いています。また、維持管理を担う技術者の不足も大きな問題となっており、特に地方では深刻です。都市部では再開発事業の一環としてインフラ更新が進められている一方で、地方では予算や人材の不足により、老朽化したインフラが放置されたままとなっているケースが数多く見られます。

行政や自治体の取り組みと進捗状況

① 政府の取り組み

コンパクトシティ構想

政府は人口減少に対応するため、都市機能を集約したコンパクトなまちづくりを推進しています。特に地方都市において、効率的な公共交通機関の再編や、都市機能を集約する再開発プロジェクトが進められています。

防災・減災対策の強化

「国土強靭化基本計画」を基盤として、災害に強いインフラ整備を進めています。また、各自治体に対してハザードマップの周知と避難訓練の強化を義務付けることで、地域の防災力向上を図っています。

インフラ再生・スマートシティ推進

老朽化したインフラの更新には、官民連携(PPP)の手法を積極的に活用しています。さらに、AIやIoTといった最新技術を活用した「スマートシティ」構想を全国的に展開し、効率的で持続可能な都市づくりを目指しています。

② 企業や自治体の取り組み

地域活性化プロジェクト

地方創生の取り組みとして、大手企業による地方都市でのサテライトオフィス設置が進んでいます。楽天やソフトバンクなどの企業が積極的に地方進出を行い、地域の雇用創出に貢献しています。また、地方創生テレワークの推進により、都市部から地方への移住の流れも加速しています。

次世代型の防災都市開発

大都市では次世代の防災に向けた取り組みも進んでいます。東京都や大阪市では、災害時でも都市機能を維持できる「レジリエントシティ」構想を推進し、防災機能を強化した再開発プロジェクトを積極的に展開しています。

まとめ:住み続けられるまちづくりを実現するために

日本の都市や地域には、人口減少、災害リスク、インフラの老朽化などの課題があり、持続可能なまちづくりのためには、行政・自治体・企業・市民が協力して改善に取り組む必要があります。

私たちにできること

  • 地域の防災対策やハザードマップを確認し、災害時の備えを強化する
  • 地元の商店やサービスを利用し、地域経済の活性化に貢献する
  • 持続可能な住環境を実現するための政策や取り組みに関心を持つ

持続可能な未来のために、今できることを始めましょう!

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この記事を書いた人

私たちeco living編集部は、脱炭素アドバイザー ベーシックの資格を保有した編集者が、持続可能な暮らしを提案し、環境に配慮したライフスタイルをサポートするために日々記事を発信しています。地球に優しい商品やサービスの紹介から、エコな生活のヒントまで、皆さまのより良い未来作りのお手伝いを目指しています。

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